あらすじ

 ――釜蓋朔日、母が、鎧武者に殺された。

 8月1日の深夜。高校生の朔晦滋郎(たちもり じろう)は、突如家を襲撃した鎧武者により、母・穎子(えいこ)を惨殺された。茫然自失の滋郎は入院先で、自分を保護しに来たという初対面の伯父、由月愛河(ゆげつ あいが)の電撃訪問を受ける。

 愛河の弟、由月孝慈(ゆげつ こうじ)。
 それは当時既婚者だった穎子に滋郎を托卵し、行方をくらました元恋人。元夫と穎子の離婚の元凶とも言うべき男だった。

 伯父の口から、滋郎は己に流れる呪われた血のルーツを知ることになる。

 ――由月真秀(ゆげつ まさひで)。500年前、無念の死を遂げた由月の正統な嫡男。
 彼は実母と結託し己を誅殺した弟の血族を粛正するため、半世紀に一度の盂蘭盆に甦る。家を襲撃した真秀の目的は由月の血を引く滋郎の殺害であり、穎子はたまたまその場に居合わせたために命を落としたのだった。

 通称・真秀の祟り。
 それは由月の一員である限り、逃れられない残酷な運命。しかし真秀の復活には、本来あと三年の猶予があるはずだった。

 掟破りは人間の専売特許、化物は厳密にルールを守る。
 時が満ちるまで解けない封印が、前倒しで解けるはずがない――内部の誰かが、意図的に解かない限りは。

 愛河の本当の目的は哀れな甥っ子の保護などではなく、行方不明の弟の『代打としての肉の盾』の確保。
 あまりの身勝手に絶句しようとも、逃れられぬ死へのカウントダウンは、もはや誰にも止められない。

 愛河から甥っ子の身柄を任された傭兵のギヨムは、滋郎に一つの提案をする。

「真秀の封印を解いた犯人探しに協力するなら、由月家の本陣を敷いた千葉のサンセットヒルズで、お前を優先的に守ってやる。もちろん、雇用者である社長の次にだけど」

 ぽっと出の甥っ子と、雇われの傭兵。
 互いに寄る辺なき外様同士。殺人鬼がうろついている時に、一人になってはいけないのはお約束。

 利害の一致した滋郎とギヨムは急遽タッグを組み、500年間誰にも対処できなかった、真秀の祟りに立ち向かう。

 ――誰が何の目的で、真秀の封印を解いたのか?
 ――滋郎の実父である由月孝慈は、今どこにいるのか?
 ――そして引き起こされる、人の手による現実の殺人。

 八月、地獄の釜の蓋が開いた日没の丘にて。
 はたして滋郎とギヨムは、三日間の盂蘭盆を生き延びることができるのか?

 ここが祟りの最前線(しゅうちゃくてん)。
 人間は絶対に、おばけに勝てはしない――


登場人物
概要
捌月のダムナシオン(はちがつのだむなしおん)
公開 未定
種類 垂涎TTRノベル(すいぜんたたられのべる)
対象
全年齢
動作 win/10
機能 CG・BGMモード
文字 約20万字(スクリプト含まず)
価格 未定
更新
2024/11/29 ページ公開

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