五月の桜で葉ばかりさま
sinister冬春

 五月晴れという言葉を体現するような陽気。
 本日は待ちに待った水族館デートだ。父さんの身体的に未だ遠出は不安が残るということで、GWは都内でレジャーを楽しむことにした。遠いところへ旅行なんか行かなくていい、父と休日を過ごせるなんて、半年前は考えられなかった奇跡だから。
 この日のために、何週間も前から入念に下調べを済ませている。きっと最高のデートになるはずだ。
 リュックも靴も洋服も昨日のうちに用意しておいたが、最後の帽子だけが決まらない。
 廊下で長時間誰かと電話していた父さんが、リビングに入ってきたタイミングで尋ねる。
「お父さん、帽子どっちがいいかな? お父さんの好きな方にする」
 キャップとバケットハットを掲げて意見を聞くと、所在なげに携帯を握ったまま、父さんが口を開いた。
「はるくん、ごめん。今日のデート、行けなくなっちゃったんだ」
「え……」
 思わず、帽子を取り落とす。俺が愕然としていると、父さんは申し訳なさという概念そのものの顔をして眉を下げた。
「急な仕事が入っちゃって、どうしても外せなくて……本当にごめん、デートは日を改めて行こう」
「なんで、お仕事、別の日じゃ駄目なの……?」
「ごめん……今日じゃないと駄目なんだ」
「僕、楽しみにしてたのに……ずっと前から準備してたんだよ? 昨日はそんなこと、言ってなかったじゃん……!」
「ごめんね……平家を呼んだから、今日はお家でお留守番してね」
 そう言うなり、父は慌ただしく準備を始めてしまう。
 さっきまでの楽しい気持ちが、急速に萎んでいく。俺はやり場のない気持ちを持て余したまま帽子を拾い、のろのろと自分の部屋に戻った。

「春也くん、おっは~」
「おはようございます……」
 柄物のド派手なシャツがよく似合う平家さんは、朝っぱらから呼び出されたにもかかわらず嫌な顔一つ見せない。
 平家さんのことは好きだから、いつもなら嬉しい。けど今日ばかりは嬉しくない。
「僕が帰るまで、平家が面倒を見てくれるから。おい平家、くれぐれも春也に変なものは食べさせるなよ、変な娯楽に触れさせたり、変なところにも連れて行くな。あとは――」
「わーってるよ! 他人様のご子息預かるんだ、滅多なことするもんかい」
 スーツに着替えアタッシュケースを持った父さんは、気遣わしげな視線をこちらに寄越してきた。
「じゃ、はるくん、行ってきます。なるべく早く帰るから、いい子にしててね」
「……僕はいい子にしてたもん。悪いのは、約束破ったお父さんだよ」
「は、はるくん……!?」
 ショックで青ざめた父さんが家を出るまで、俺は無言で顔を背けたままでいた。

 父さんがふらつきながらタクシーで出かけたあと、俺は平家さんに頭を下げた。
「平家さん、ごめんなさい。急に面倒みろって、お父さんに押し付けられたんだよね? 僕、一人で平気だから帰っていいよ」
「いいっていいって、事務所のバイトもなくて暇だったし。約束破ったらそれこそ、お父さんに何言われるかわからないからさ」
 平家さんは笑いながらテーブルの上の情報誌を手に取り、付箋の貼られたページを繰りながら何気なく聞いてきた。
「水族館、俺と一緒に行く? お金なら気にしなくていいぜ、漆田さんにバイト代たんまりもらってるから」
 俺はうつむいたまま、かぶりを振る。
「そうだよな、水族館がどうこうじゃなくて――お父さんと出かけたかったんだもんな」
 少し迷ってから、結局うなずいた。
「ずっと前から楽しみにしてたのに……今朝になってドタキャンなんてあんまりだよ」
 これが体調不良なら文句なんて言わない。でも、当日急に舞い込んだ仕事で台無しにされるなんて。父さんが俺との約束より他を優先するなんて、ありえないと思っていた。
「そうだよなぁ、楽しみにしてたんだからそりゃがっかりするよ。しかも当日の朝とか、春也くんが怒るのも無理ないわ」
 腕を組んで頷いているその様を、俺はしげしげと見つめてしまう。
「どした?」
「仕事なんだから仕方ないよって言われるかと思った」
「絶対、言わない。自分が言われて嫌な思いしたことは、他人にも言わないって決めてるから」
「え?」
 平家さんはソファに腰掛け、天井を仰ぐ。
「……俺の親父がそうだったんだよ。その場の勢いで『今度どこそこに連れてってやる』ってぬか喜びさせておいて、自分の都合で簡単に翻すんだ。言い訳は毎回『仕事なんだから仕方ないだろ』――馬鹿たれ~、約束破っておいてフォローしないのは人格面の問題だっつの! そんなだから俺、親父と超~仲悪いの!」
「そうなんだ……」
「まぁ、決定的だったのは『探偵なんぞにするために大学に行かせたわけじゃない!』って吐き捨てられたからだけど。『あんたが口だけの嘘つき野郎だから、俺は真実を追究したくなったんだよ』って言い返したら取っ組み合いの大げんか。自分の意に沿わないなら、学費も仕送りもやらないってさ。痛いところつかれたからって幼稚だよなぁ」
「……」
「そんなわけで今、自分で稼いで大学通ってるんだわ。だから俺のことは気にしないでくれよな? 漆田さん、ちょおっと性格に難あるけど、金払いはいいからさ。あとは――」
 平家さんは急に顔を上げ、照れくさそうに笑う。
「俺、仲のいい父子がうらやましくて……ついつい肩入れしちゃうんだよなぁ」
 手に入らなかったものを妬んで敵視するのではなく、むしろ力になりたいと願うあたり、この人も相当のお人好しだと思う。でなければ、父さんが俺と二人きりで留守番させるわけがないのだが。
 いかにも苦労しましたという顔をこれ見よがしに見せつける人間もいれば、苦労を表に出さない人もいる。常に不機嫌な人間が、上機嫌の人間よりえらいなんてことはない。平家さんに対する、顔がよくて楽しいお兄さん、という単純な認識を改めさせられた気がした。
「誰の依頼なのかは俺も知らないけど、あの人、金を積まれようが脅されようが、やりたくない仕事は絶対受けないからさ。大切なデートの約束破ってでも受けたのは、よっぽどの案件だよ。たとえば――そうねぇ、自分や春也くんにまで累が及ぶとか?」
 対処しなければ、自分達に累が及ぶような仕事。
 俺は今日の予定が潰れたことだけで頭がいっぱいで、そんなこと考えもしなかった。
 父の仕事は危険を伴うと知っていたのに、行ってらっしゃいの一言も言わずに。父さんは、ただでさえ体が不自由なのに。
 今朝の子どもっぽい振る舞いを思い出し、自然に涙が湧き出してくる。
「お、お父さん、帰って来なかったらどうしよう……!」
「泣くな泣くな! 大丈夫、漆田さんは殺したって死にやしないよ。春也くんを一人になんてするもんか」
「う、……ん」

 その後。
 平家さんはいろいろと気を紛らわそうと努力してくれたけど、俺はずっと上の空で、携帯と固定電話を何度も眺めていた。
 朝一で出て行ったきり、日が落ちても一本の連絡すらない。心配すぎて結局昼食もほとんど喉を通らなかった。
「春也くん、夕飯どうする? 外に食べに行くか?」
「いらない……電話のところに出前のチラシあるから、平家さんだけ食べて」
「うーん……」
 その時、家の前に車が止まる気配がして、俺は考えるよりも先に駆け出していた。
 義手のせいで鍵を開けるのに手こずっているらしい。チャイムを鳴らして開けてもらうことすら思いつかないくらい焦っているのだろう。先んじて内側から玄関を開ける。二人の視線が、かち合った。
「――はるくん、ただいま!」
 どれだけ急いで帰ってきたのだろう。父さんは髪も乱れ、ネクタイも緩んでいた。俺の前では特に身綺麗にするのを信条にしているこの人が、なりふり構わずに。
「おとうさぁん……!」
 罪悪感とか安心とか。いろんな気持ちがない交ぜになり、涙声でしがみつく。父も強く抱き返してくれた。
「本当にごめんね、今日の埋め合わせは必ずするから」
 何度も首を振る。
「なんにもいらない、お父さんがいればいいよう……!」
「はるくん……」
「朝、行ってらっしゃい言わなくてごめんなさい……嫌な態度とってごめんなさい……」
「謝らないで、約束破ったのは僕なんだから。はるくんの気持ち、ちゃんとわかってるよ」
 首にしがみついて、頬を擦り寄せる。俺を無条件で安心させる香りと低い体温。
「はるくん、今度仲直りのデートさせてね。お父さんも、今日のデートほんとに楽しみにしてたんだ」
「うん!」
 安心した途端、小さく腹が鳴る。二人で顔を見合わせて笑い合った。
「お腹空いた……」
「はるくん、お昼は何食べたの?」
「ピザ。でもお父さんが心配で、あんまり食べられなかった……」
「じゃあ夕飯はお寿司取ろうか」
「えっ寿司!? やったー、ごちになりまーす!」
 廊下の奥から様子を伺っていた平家さんが、寿司と聞いて万歳する。途端、急に父さんの目が冷ややかになった。
「なんだまだいたのか、留守番ご苦労。僕達はこれから親子水入らずの時間だ、邪魔者はさっさと帰れ」
「す、寿司……」
「帰れ」
 「ちくしょー! いいもんね、バイト代でエミと回転寿司行ったる!」と憤慨する平家さんに、俺は心の中で合掌した。

 翌週の日曜日。俺達は先週のリベンジを果たすべく、念願の水族館へ訪れていた。
 ゆるく波打つ髪が映える麻のサマージャケット。薄い色つきのサングラスをかけ、いつもよりカジュアルに決めた父さんは周囲の注目の的だ。それが誇らしくもあり腹立たしくもある。
「わぁ……」
 青く染まった薄暗い空間の中、色鮮やかな熱帯魚が俺達を出迎えてくれる。一歩外に出れば都会の喧噪がひしめていようとも、ここは海の底だ。
 天を仰いでくるくる回る俺に父が目を細める。
「初めて来たけど、すごくきれいだね」
「うん、きれい。でも、お父さんのほうが世界一きれいだよ」
「はるくん……なんて素敵な王子様なんだ……!」
「ふへへ、デートだからね♡」
 えへん、と胸を張る。褒め言葉は率直に、それが素敵な王子様の条件だ。
 揺らめく光の中、ものすごいスピードで移動する銀色の小魚。頭上を悠々と泳ぐサメにため息をつく。
「サメ、かっこいい」
「サメは卵生だけど、人間と同じように、お腹で赤ちゃんを育てて産む種類もいるんだって」
「さすがお父さん。物知り、すごい」
「ふふん」
 褒められてドヤ顔をする父さんに寄り添い、上目遣いで見上げる。
「お父さん、いつかサメになっても僕のこと生んでくれる……?」
「もちろん生むよ、ホホジロザメがいいなぁ。その時ははるくん、お腹の中で他のきょうだい全部食べてね。お父さん、はるくん以外いらないから」
「うん、全部食べる」
 いざ鎌倉の時に備え、真剣に頷く。父さんを失望させるわけにはいかない。
 父さんの子として生まれるのは俺だけでいい。綺麗な海を、二頭だけで泳ぐのはさぞかし楽しいだろう。今だってそうだ。たとえ他のお客がいたとしても、俺達が並べば、そこはいつでも二人の世界に早変わりする。

 館内の展示をたっぷり楽しんだ後、待望のペンギンショーが始まった。
 よちよち歩きの愛らしいケープペンギンに、方々から歓声が上がる。もちろん俺もその一人だ。
「お父さん見て見て、ペンギンかわいい!」
「かわいい〜♡ 世界一かわいい~♡」
 父さんはペンギンを無視して俺を見ながら、ふにゃふにゃの声を出す。
「お父さん、真剣に見てってば!」
「こんなにかわいいはるくんから、目移りなんてできないよ〜♡」
「もう……」
 俺はペンギンを愛で、ペンギンを愛でる俺を父さんが愛でる。
 どちらも損はしていないので、まぁ、これはこれでいいのかな?

「どっちがいいかなぁ」
 水族館に併設されたショップでクッキーを手に取り、真剣に見比べる。
「お友達にあげるの?」
「平家さんにあげるやつ。この前面倒見てもらったから、そのお礼」
「あげなくていいよ、きっちりバイト代払ってるんだから」
「お父さんは最高だけど、もっと友達を大切にするべきだと思う」
「……別にあいつは友達じゃないもん」
「ええ……」
 あんまりな言い草に呆れた視線を返すと、父さんは唇をとがらせた。
「お父さんにもおみやげ買って! おそろいのキーホルダーで平家に差を付ける!」
「いいよう♡」
 どうやら、単にやきもちを焼いていただけらしい。
 希望通りおそろいのキーホルダーをプレゼントし、俺は親子ペンギンのぬいぐるみを買ってもらった。

 水族館を心ゆくまで楽しんだ後は、眺めのいいシーフードレストランで海鮮に舌鼓を打つ。散々魚を見た後でどうなんだと思わないでもないが、俺の好みに最大限合わせてくれた結果だ。罪滅ぼしも兼ねているためか、今日のデートは父の気合いの入れようが違った。
 そう、端から見れば父子のお出かけにしか見えなかったとしても、これはれっきとした王子様とお姫様のデートだ。
「お父さん、エビの殻、僕が剥くね」
「わぁ、いいの? ありがとう」
「まかせて。はい、あーん♡」
「あーん♡」
 父さんの介助をするために対面ではなく左隣の席に座り、ランチを楽しむ。と言っても俺ができることなんて大してないのだけれど。これは気持ちの問題だ。
 食後のコーヒー(俺はジュース)とデザートを楽しみながら、父さんが片笑む。
「はるくん、この間の埋め合わせはできたかな?」
「うん、すっごく楽しかったよ。お父さんありがとう」
「よかった。はるくんに許してもらえなかったらどうしようかと思ったよ」
「もう……とっくに許してるよう」
 俺が唇をとがらせると、父さんはおかしそうに笑ってから、ふと目を伏せた。
「……僕、ほんとは少し嬉しかったんだ」
「え?」
「だってはるくんは、わがまま言わないじゃないか――僕がこうだから」
 言いながら、義手をひらひらさせる。二人が共にあるために支払われた代償。
「だって、お父さんとケンカしたくないもん……」
「大好きな人なら、困らされるのだって嬉しいよ」
「お父さんは、僕とケンカしたいの?」
「ケンカはしたくないよ。今まで一緒にいられなかった分、たくさんわがまま言って甘えてほしいんだ。僕は、はるくんのお父さんなんだからね」
 穏やかな言葉の裏にある果てしない重みに、胸が締め付けられる。
 十年間。父の――お父さんでいられなかった時間。
「大人は大変だから、約束、守れなくてもいいよ。でも、危ないことはしないで。お父さんに何かあったら、僕……」
 悲しい想像を遮るように、大きな手が頭を撫でる。
「……実はそれもあって、この前はどうしても仕事に行かざるを得なかったんだ」
「え?」
「はるくんと一緒にいるために、少しばかり強引な手段を使ったから――面倒な相手にちょっとした借りがあってね。間違ってもはるくんに類が及ばないように、万事後腐れのないようにしないと。でも大丈夫、昨日で借りは返したし、こういう急な呼び出しには二度と応じないって釘を刺しておいたから。はるくんとの大切な時間、誰にも邪魔されてたまるもんか」
 思わずうつむく。
 約束を守るのも俺のためなら、約束を破るのも俺のため。この人が無理をするのはいつだって俺のためだと知っていたのに。
「お父さん」
 顔を上げ、目を見てはっきりと自分の気持ちを伝える。
「大切なことは、ちゃんと言って。まだ子どもだけど、がんばってわかるようにするから」
「……うん、はるくんの言う通りだ。これからは包み隠さず、きちんと説明するよ。独りよがりで大切な人を不安にさせるなんて、馬鹿みたいだもんね」
 義手を両手で包み込み、体温のない手の甲に口づける。
 今はまだ、守られることしかできないけれど。いつかはきっと。
「僕、お姫様にふさわしい王子様になる。お父さんのこと守るからね」
「嬉しい……僕にふさわしい人は、はるくん以外いないよ」
 周りに見られないよう、こっそり頬にキスをする。
 父さんの笑顔という甘いデザートで締めくくられ、俺達の仲直りデートは大成功に終わった。

 五月の爽やかな陽光がふんだんに差し込むリビングで、俺の男が思い出し笑いをする。
「……そんなこともあったなぁ。はるくんは昔から、ずっとかわいかった。このまま歳を重ねて、ますますかわいさがインフレしたら、僕は一体どうすればいいんだ……!」
「別にどうもしないよ、生まれたときから父さんのなんだから」
 飽きもせずアルバムを眺める父に、三時のお茶を供する。サイドボードの上には、あのとき買ってもらった親子ペンギンが今も仲良く座っていた。
 例年通り、今年のGWも俺達は家でのんびり過ごしていた。父さんはアップルパイメーカー兼動画配信者、俺は真面目に単位を取りまくっている大学生、お互いに時間は自由になる身の上だ。何も割高で混雑している時期を狙って出かける必要はない。
 俺もソファに座り、傍らからアルバムを覗き込んでため息をつく。
「あ〜、昔の父さん、ほんとかっこいい……♡」
 何気ない一言に、父は眼鏡をずらして俺を睨む。
「はるくんは、若い僕のほうがいいんだ……こんな父親として未熟な青二才が……」
「自分にやきもち妬かないの! 馬鹿みたいだよ?」
「ふんだ、恋する男は、みんな馬鹿なんだよ」
「よしよし、父さんはいつでも『今』が最高だよう。機嫌直しておやつ食べよ? ほら、柏餅」
「キスしてくれたら食べてもいいよ」
「もう……」
 入学式、卒業式。運動会に誕生日にクリスマス。
 写真に収められた幸せな記憶たち。その一つ一つが、かけがえのない奇跡だと思う。
「……きっとさ、一緒にいられなかった世界もあったんだろうね」
 父さんは、俺を誰よりも何よりも大切に思っている。傷つけないためにあえて突き放す――そんな悲しい光景が容易に想像できるくらいには。一歩間違えば、そうなっていてもおかしくなかった。
「春也、起こりもしなかった可能性なんて考えるのはよしさない」
「父さん」
「大丈夫。たとえどんな選択をしたとしても――僕らが結ばれない世界なんてないんだよ」
「うん」

 それは自然の摂理。夜の後に朝が、冬の後に春が来るのと同じこと。
 別離があっても、衝突しても、すれ違っても大丈夫。たとえ一時散ったとしても、桜は再び花開くのだから。

2023/5/04 LOG収納

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